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★第15回オフ 「Teamな〇でも・OO(ダブルオー)」 セットリスト 2024年03月17日(日曜日) カラオケ館なんば戎橋本店にて開催 参加人数5名 ■曲名 / 作品名・アーティスト名 / 歌った人 ▼第1ターン 01■ELEMENTS / 仮面ライダー剣 / ゆ氏 02■FREEDOM / 機動戦士ガンダムSEED FREEDOM / マッスー 03■Bling-Bang-Bang-Born / マッシュル-MASHLE- / な〇でも 04■ヴィーナスとジーザス / 荒川アンダーザブリッジ / ゆかみ 05■HEATS / 真ゲッターロボ / ゆ氏 06■Eye's Sen try / 青の祓魔師 島根啓明結社篇 / マッスー 07■英雄 / ウルトラマンネクサス / な〇でも 08■BLOODY STREAM / ジョジョの奇妙な冒険 / ゆかみ 09■花になって / 薬屋のひとりごと / ワイ 10■STORM / 真ゲッターロボ対ネオゲッターロボ / ゆ氏 11■ババーンと推参!バーンブレイバーン / 勇気爆発バーンブレイバーン / マッスー 12■絆ノ奇跡 / 鬼滅の刃 刀鍛冶の里編 / な〇でも+ワイ 13■WILD CHALLENGER / ボボボーボ・ボーボボ / ゆかみ 14■コネクト / 魔法少女まどか☆マギカ / ワイ 15■UNION / SSSS.GRIDMAN / ゆ氏 16■双炎の肖像 / 勇気爆発バーンブレイバーン / マッスー+な〇でも 17■TAKE IT SHAKE IT / カレイドスター / な〇でも 18■白金ディスコ / 偽物語 / ゆかみ 19■リアルワールド / 人類は衰退しました。 / ワイ 20■カルマ / テイルズオブジアビス / ゆ氏 21■イマジネーション / ハイキュー!! / マッスー 22■晴る / 葬送のフリーレン / な〇でも 23■Little Busters! / リトルバスターズ!! / ゆかみ 24■IN MY DREAM / ブレンパワード / ワイ 25■疾風ザブングル / 戦闘メカ ザブングル / ゆ氏 26■Meteor-ミーティア- / 機動戦士ガンダムSEED / マッスー 27■勇者王誕生!-集大成神話ヴァージョン- / 勇者王ガオガイガーFINAL / な〇でも 28■シリウス / キルラキル / ゆかみ 29■海色 / 艦これ /ワイ 30■インパーフェクト / SSSS.DYNAZENON / ゆ氏 31■ホログラム / 鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST / マッスー 32■明日の笑顔のために / ゲートキーパーズ / な〇でも 33■林檎もぎれビーム! / さよなら絶望先生 / ゆかみ 34■恋は混沌の隷也 / 這いよれ!ニャル子さんW / ワイ 35■キュピズム / PSYCHO-PASS 3 / ゆ氏 36■Dearest / 劇場版 機動戦艦ナデシコ / マッスー 37■爆発だッ!タローマン / TAROMAN / な〇でも 38■青空のラプソディ / 小林さんちのメイドラゴン / ゆかみ 39■ようこそジャパリパークへ / けものフレンズ / ワイ 40■ETERNAL WIND~ほほえみは光る風の中~ / 機動戦士ガンダムF91 / ゆ氏 41■Los!Los!Los! / 幼女戦記 / マッスー 42■青春コンプレックス / ぼっち・ざ・ろっく! / な〇でも 43■お後がよろしくって・・・よ / じょしらく / ゆかみ 44■Wonderful Rush / ラブライブ! / ワイ 45■ターンAターン / ∀ガンダム / ゆ氏 46■僕達は天使だった / ドラゴンボールZ / マッスー 47■Toghther / ポケットモンスター ダイヤモンド&パール / な〇でも 48■Os-宇宙人 / 電波女と青春男 / ゆかみ ▼前半エンディングテーマ 49■CHA-LA HEAD CHA-LA / ドラゴンボールZ / ワイさんと愉快な仲間たち ▼第2ターン(ノンジャンル解禁) 50■FUNNY BUNNY / ピロウズ / ゆ氏 51■限界バトル / 遊☆戯☆王 デュエルモンスターズGX / マッスー 52■キングゲイナー・オーバー!! / OVERMAN キングゲイナー / な〇でも 53■1/2 / るろうに剣心-明治剣客浪漫譚- / ゆかみ 54■Journry through the Decade / 仮面ライダーディケイド / ゆ氏 55■アンバランスなkissをして / 幽☆遊☆白書 / マッスー 56■空 / 中華一番! / な〇でも 57■CHAINSAW BLOOD / チェンソーマン / ゆかみ 58■NEXT LEVEL / 仮面ライダーカブト / ゆ氏 59■ビリーバーズ・ハイ / キャプテンアース / マッスー 60■Drei Kreuz~鋼のサバイバー~ / スーパーロボット大戦30 / な〇でも 61■チルノのパーフェクトさんすう教室 / イオシス(東方) / ゆかみ 62■たったひとつの想い / ガンスリンガーガール / ゆ氏 63■レイテストショーマン / ジョー・カー / マッスー 64■『ねっ』 / スーパードール★リカちゃん / な〇でも 65■REAL EMOTION / FFX-2 / ゆかみ 66■マジンカイザー / マジンカイザー / ゆ氏 67■シャル・ウィ・ダンス? / シャドーハウス / マッスー 68■Absolute 5 / マクロスΔ / な〇でも 69■ラヴィ / ボカロ / ゆかみ 70■Resolution / 機動新世紀ガンダムX / ゆ氏 71■セツナの愛 / 文豪ストレイドッグス / マッスー 72■DAYS / 交響詩篇エウレカセブン / な〇でも+マッスー 73■なんじゃモンじゃ!ニンジャ祭り / 手裏剣戦隊ニンニンジャー / ゆかみ 74■ルパン三世のテーマ / ルパン三世 / ゆ氏 75■夢であるように / テイルズオブデスティニー / マッスー 76■Eyes on me / FFⅧ / ゆかみ 77■健全ロボ ダイミダラー / 健全ロボ ダイミダラー / な〇でも ▼エンディングテーマ 78■WE GOTTA POWER / ドラゴンボールZ / マッスーさんと愉快な仲間たち
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ぷーれグランドマスターへの軌跡 グランドマスターとはスーパーボンバーマンRオンラインにおけるグレードの最高称号である。 グレードの順序や昇格条件はスーパーボンバーマンRオンラインの記事に詳しい。 本項目ではぷーれがグラマスになるまでの軌跡や立ちはだかった壁・強敵(とも)との切磋琢磨の日々・成長エピソードを記録していく(予定である)。 シーズン1(2021/5/27~2021/8/25) シーズン2(2021/9/8~2021/12/8) シーズン1(2021/5/27~2021/8/25) 2021年 日付 放送開始時 放送終了時 レート増減 アーカイず 5/27 ブロンズ5[0] ブロンズ1[100] +500 https //youtu.be/I9Ej8NP4GOU?t=5 (間にルームマッチを挟む) https //youtu.be/I9Ej8NP4GOU?t=8034 5/28 ブロンズ1[100] ゴールド5[0] +500 https //youtu.be/jlFH9cQpHWg?t=18 (間にルームマッチを挟む) https //youtu.be/jlFH9cQpHWg?t=9964 5/29 ゴールド5[0] ゴールド5[30] +30 https //youtu.be/8fogpODthsA?t=10 5/30 ゴールド5[30] ゴールド1[40] +410 https //youtu.be/EE95J-fmlHM 6/6 ゴールド1[40] ゴールド1[60] +20 https //youtu.be/ipEPjz559ZY?t=2094 6/7 ゴールド1[60] プラチナ5[0] +40 https //youtu.be/rIWG29alB5I 6/8 プラチナ5[0] プラチナ3[50] +250 https //youtu.be/3IVeyZTPwXk?t=2s 6/9 プラチナ3[50] ダイヤモンド5[0] +250 https //youtu.be/iN22osSjsBo?t=15 6/12 ダイヤモンド5[0] ダイヤモンド5[5] +5 https //youtu.be/7pWvCF7ZW2k?t=13145 6/13 ダイヤモンド5[5] ダイヤモンド5[0] -5 https //youtu.be/9CD0pBDN9xQ (間にルームマッチを挟む) https //youtu.be/9CD0pBDN9xQ?t=9011 6/14 ダイヤモンド5[0] ダイヤモンド5[0] ±0 https //youtu.be/Feii2JcvKEQ?t=7313 6/19 ダイヤモンド5[0] ダイヤモンド1[20] +420 https //youtu.be/LShhak2Uvfg?t=11 (間にルームマッチを挟む) https //youtu.be/LShhak2Uvfg?t=8232 6/19 ダイヤモンド1[20] マスター[0] +80 https //youtu.be/tyh2y8UGKgY?t=24 6/21 マスター[0] マスター[0] ±0 https //youtu.be/ltwLt7qQQng?t=14 6/25 マスター[30] マスター[0] -30 https //youtu.be/pEy3exNW51w?t=12 6/28 マスター[0] マスター[30] +30 https //youtu.be/uk5eCKziWsY?t=14 7/5 マスター[30] マスター[15] -15 https //youtu.be/PIHuYO_g1_k?t=8 7/8 マスター[15] マスター[0] -15 https //youtu.be/Eb0zDTR0Ea4 7/8 マスター[0] マスター[30] +30 https //youtu.be/DY2D2I8aJew?t=10 7/10 マスター[30] マスター[15] -15 https //youtu.be/XO4kD0LTYJk 7/12 マスター[15] マスター[30] +15 https //youtu.be/QXMl25yBoUc?t=32 7/27 マスター[30] マスター[0] -30 https //youtu.be/qG7SYMc30Ng 7/31 マスター[0] グランドマスター[100] +100 https //youtu.be/ASSbQ5YeqyY エピソード ぷーれ、ユクトキックを知る。(2021年5月30日) ぷーれ、muneyuuキャリーを発明する。(2021年6月28日) ぷーれ、ボンバーマンに負けすぎて一時38.7度の熱が出る。(2021年6月28日)→ ツイート① ・ ツイート② ぷーれ、muneyuu氏が大会に参加している隙を狙って枠を取る。なお相変わらず他多数のスナイプ勢に狙撃されたほか、大会の合間にスナイプに勤しむmuneyuu氏の姿が目撃された模様。(2021年7月10日) ぷーれ、ンンンン交流鯖に参加する。(2021年8月19日) 募集中 シーズン2(2021/9/8~2021/12/8) 2021年 日付 放送開始時 放送終了時 レート増減 アーカイず 9/8 ブロンズ5[0] シルバー5[0] +500 https //youtu.be/Y-g9oWW9TR0 9/9 シルバー5[0] シルバー1[5] +405 https //youtu.be/nzv9eBS2T6Q 9/11 シルバー1[5] ゴールド3[15] +310 https //youtu.be/lUcgg2FzxV8 9/18 ゴールド3[5] プラチナ5[0] +295 https //youtu.be/MIC-C_WzVio 9/19 プラチナ5[0] プラチナ4[65] +165 https //youtu.be/KtOXpbEX8sE 9/22 プラチナ1[90] ダイヤモンド5[0] +15 https //youtu.be/JfR693Zz7UI 9/28 マスター[50] マスター[0] -50 https //youtu.be/ar68eqv-jZ4 9/30 マスター[0] マスター[50] +50 https //youtu.be/mX1HBLNyAHA 10/3 マスター[50] グランドマスター[100] +50 https //youtu.be/uRGfJljXqxY エピソード 募集中
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目を開けると、あたしは白い部屋にいた。 白いベッドの上。まわりには白いカーテン。不思議なほど静かで。 …えっと。あたしはぼうっとする頭で記憶をたどるけど、自分まで真っ白になったかのように、分からない。 何であたしここにいるの? 全然知らない世界に一人ぼっちで放り出されたような不安感。あたしの世界を失ってしまったような、軽い恐怖に急いで身を起こそうとすると、 「ゆかちゃん、起きたん?」 白いカーテンからひょこっと顔が覗いた。 「…あ~ちゃん」 自分でも驚くほどほっとした声が出た。 「あ、ゆかちゃん起きたらダメじゃけえ。授業中に貧血起こして倒れたんよ」 …ああ、なるほど。あたしはようやく消毒薬の匂いに気付いた。 あ~ちゃんはカーテンの端をつまんだまま、静かに佇んでいた。柔らかい光が白いカーテンに反射して、あ~ちゃんの輪郭を優しくふちどっている。 「あ~ちゃん、どしたん?」 「ゆかちゃん、側にいってもいい?」 あたしはちょっと笑って、 「いけんゆうても、あ~ちゃん来るじゃろ」 「うん」 あ~ちゃんはふふっと笑って、あたしの枕元に肘をついて、ベッドのそばにひざまずいた。 「…ゆかちゃん」 「…ん?」 あ~ちゃんはあたしの目を見つめたまま、枕元にこてん、と頭をのっけて 「あんまり無理せんでええよ」 「…無理って?」 「生徒会とかゆかちゃん書記なのに、色々しすぎじゃ。3年の会長さん、ちゃんとおるんじゃし」 「まあ頼まれるとねえ…(あの人無能じゃけえ)」 「先生の雑用も断らんし」 「断れんよ(信頼には見返りもついて来るし)」 「写真部とか放送部とか、よく分からん活動もしとるし」 「……(秘密の部活動もしてます)」 「…じゃけえ、あんまり無理せんで」 あ~ちゃんはあたしをじっと見た。 あ~ちゃんの真っ直ぐな目。あ~ちゃんは、透明。痛いほど透明。そう、きらきらしたものはたいてい、取扱い注意なもの。その破片があたしを撃つから。 あたしはまぶしさに思わず顔をしかめる。 「…!ゆかちゃん、まだしんどい?ゆっくり、休んどったらええんよ。…目ぇ、閉じて?」 あ~ちゃんの柔らかい手が、あたしのまぶたをそっと閉じた。 あ~ちゃんの手は、そのまま日差しから遮るように額にそっと置かれてる。 優しい、闇。 目をつぶるとあたしはほっとした。 …時々、あたしは感じる。ばかばかしいかもしれないけど。 あたしにはたくさん目があって。そのたくさんの目が、あたしやあたしの周りやあたしの行動を、観察して追いかけて。あたしに要求して不安にさせて。あたしが人に嫌われてないか、見捨てられないかを、たくさんの目が、あらゆる角度で、あたしに命令する。 恐ろしいほど緻密なカメラワーク。 めまいのするようなカット割り。 制御しきれるかどうか、時々自信が無くて。 …頑張らなくていいよ、か。 きっと。あ~ちゃんには、透明で真っ直ぐな大きな目が一つ。地上を優しく見渡す、太陽みたいな目が。 「あ~ちゃん」 あたしは目を開けてあ~ちゃんを見つめる。 「…もしね、のっちとあたしが同時にへこんで同時に助けを求めてきたら、どうする?」 「そりゃあ、ゆかちゃんじゃろ」 予想外の即答に、あたしは一瞬思考が止まる。 「…なんで?」 「あ~ちゃん、のっちだったら救い上げる自信があるんよ。泥沼の底の底にのっちが沈んでしまっても、あ~ちゃんだったら、片手で引っ張り上げれる」 「……」 「…でもゆかちゃんは、あ~ちゃんには救えん」 あ~ちゃんは困ったように笑った。 「ゆかちゃんは、ゆかちゃんにしか救えん。自分で自分を引っ張り上げんと、ゆかちゃんは救われん…あ~ちゃんなんかじゃ、ゆかちゃんを救えん」 「……」 「じゃけえ、何もしてあげれんけえ、そばにおる」 あったかい、光があたしにそそぐ。 あたしは、あたしの全部の目が、あ~ちゃんだけを見ていた。 「わ~い、ゆかちゃんに甘えられちゃったあ♪」 あ~ちゃんはうにゃにゃって笑って、嬉しそうに顔を寄せてきた。 「ゆかちゃん、あ~ちゃんも隣に横になっていい?」 あたしはクスッと笑ってうなづく。 あ~ちゃんは、布団の上に、んしょっと上がって、こてっと横になった。 あたしとあ~ちゃんは向かい合って顔を寄せて、ふふっと笑った。 とても穏やかで、満ち足りた気分。静かで、あたしは解放されている。 でもやっぱり。お互いのまつげの震えが見えるほど近くにいても。あ~ちゃんは遠い光に感じる。そのまばゆい遠さは、あたしを切なくさせる。 でもその切なさは。確かに甘くて。甘い痛みが、あたしを幸福にする。 その時バタバタと足音がして、 「ゆかちゃん、大丈夫!?」 と勢いよくカーテンを開けたのっちが、あたし達の姿にぎょっとして、 「あ~ちゃん、ゆかちゃん…!?な、何してんの~~!!」 「のっち、うるさいけえ」 あ~ちゃんはばっさり斬り捨てて、「のっちもおいで」と、手をひらひらさせる。 のっちは八の字眉にへの字口で、市場に売られる子牛みたいにのそのそと、ベッドの端に腰かけた。 「何をそんな端っこにおるんよ。おいで!」 あ~ちゃんはのっちの腕をひっつかんで引っ張り、のっちはどさりとベッドに倒れる。 三人の口から、同時に笑い声が起こった。 ああ。あたしは微笑みながら思う。あたし達の、世界だ。 保健室の、白いカーテンに区切られた小さなベッドの上でも。あたし達三人寄れば。 そこは、あたし達だけの、小さな輝く世界になる。
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女の子と付き合ってるなんて親にばれたら、なんて言われるだろ。きっとしばらく口聞いてくんないだろうな。お母さんもお父さんも打たれ弱いし、結構あぁ見えて厳しいから、怒鳴ったりなんかもするかもしんない。 だけどしばらくしたら、お母さんは「好きにしんさい」って、諦めたみたいに溜め息を吐きながら言うんだろうな。そしてお父さんはきっと「今はまだ若いから、これから考え方も変わるだろう」と前向きで優しいけど全てを否定するんだろう。 お母さんお父さん、短大を卒業して、広島に帰らないで東京で就職しちゃったゆかも、今年で21になります。社会人になって半年が経ちました。会社には結構慣れたけど、部長のセクハラは止まる事を知りません。今日は太ももを掴まれました。 短大に通う為に東京で慣れない一人暮らしを始めて、もう二年半。だけど一年とちょっと前から同居人が増えました。まぁ、いわゆる同棲です。恋人と暮らしてます。なんとビックリ、女の子です。えらく美形です。 仕事が終わって、夜ご飯の買い物をスーパーで済ませて、お腹を空かせているであろう恋人の待つアパートに急いで帰ったけど、1LDKの部屋には灯り一つ点いていない。ガラスのテーブルには一枚のメモが。 『学校のトモダチとゴハンいってくる。』って、あの丸くてバラバラな文字がハッキリと書かれていた。 「…だったら…メールしろっつーの」 ただムカついたから、そのメモをグシャグシャにしてゴミ箱に投げつけてやったけど、見事に大きく外れた。ビニール袋には野菜やお肉にカレー粉、彼女が好きなお酒も入ってる。 同い年だけど、彼女は四年制の大学に通っている。だから短大卒の私は一足先に社会人だけど、彼女はまだ学生だ。自由な身が羨ましくもあるけど、働く事は嫌いじゃない。会社も皆、優しい人ばかりだし。 不満があるとすれば、彼女だ。一生懸命働く恋人の帰りを、たまには待ってくれたって良いじゃないか。「おかえり、お疲れ様」って、ゆかが部長にセクハラされて気分が悪い日くらい言ってくれたって罰は当たらないと思うよ。 こうしてゆかは昨日彼女が借りてきたDVDを見ながら、野菜無しのカレーを一人分作って、ビールをちびちび飲むんだ。あんまりお酒は好きじゃないけど、なんかムカつくから。 食べ終わったら片付けをして、シャワーを浴びてまたビールをちびちび飲みながらDVDを見て。彼女に何度か電話してみても、留守電だし。 結局、時計の針が12時をさした時に、重い鍵の開く音がした。ゆっくりとした足音に、ゆっくり振り返る。 「ただいま」 ゆかが1ヶ月前に切り揃えてあげた前髪は伸びて、大きな目に掛かってしまっていた。それをウザそうに掻き上げた彼女は、ストールを外しながらそのまま浴室に向かった。 「ただいま、って……それだけかよ」 今日はゆか、かなり苛立ってるみたい。いつもはこんなにムカつかないのにな。やっぱり全部、部長のせいだ。 ゆかは子供みたいに、そんなムカつく彼女の嫌がる事をしたくて、部屋の灯りを消してベッドに潜り込む。浴室から出て部屋が真っ暗だったら嫌だろうな、っていう小さな小さな嫌がらせ。 だけど彼女は何も言わないまま、歩き慣れた真っ暗なベッドまでのルートを臆する事無く突き進む。もう当たり前みたいにゆかの隣に潜り込んでくるんだ。ゆかは壁側、彼女は外側。 「…のっち」 「ん?」 「遅かったね」 待ってたんだよ、ずっと。それなのに帰りは遅いし電話かけても出ないし。のっちの大好きなカレーを作ろうと思ったのに、一人分だから失敗して焦がしちゃったし。 「ご飯の後…ちょっと飲んだから」 「ねぇ、ゆか前に言ったよね?ご飯いらない時はメールしてって」 「…言ってたかも」 「言ってたの」 「どうしたの、怒ってんの、」 別に、怒ってなんか。そう言おうとしたけど言葉にならず、代わりに嗚咽が漏れた。格好悪い、こんな格好悪いとこ、曝したくないのに。たまには強く、優位に立ちたいのに。 「…ごめんね、今度はちゃんとメールする…」 背中に温もりを感じて、柔らかい肌も感じた。その長くてしなやかで柔らかい手がゆかを後ろから抱き締めて、きゅっと手を握ってくれた。 「……バカのっち」 そんな風に謝ったって、違うんだから。のっち頭おかしいんじゃないの。メールをしなかった以前に、ゆかは、のっちに家に居てほしかったの。付き合って二年の記念日くらい、一緒に過ごしたかったの。 のっちはもう、冷めちゃったのかな。ゆかももう、のっちが好きなのか分からなくなってきた。エッチだって、最近ずっと、してないし。 「ゆかちゃん、ごめんね」 「ちょっ、と、」 「…久しぶりだね」 「誤魔化さないでよ、」 のっちは何の遠慮も無しにゆかの服の中に手を侵入させる。こんな時に、ゆかが泣いてるっていうのに、のっちはなんでこんなに勝手で無遠慮なの。ムカつく。ムカつくくらい、ゆかの扱いを分かってる。 「すっげ、ぐっちゃぐちゃに濡れてんじゃん」 笑った息が耳に当たって、それだけで多分さらに濡れた。きっとずっと、エッチしてなかったからだ。ゆかずっと、欲求不満だったんだ。 「もう、脱いじゃお」 のっちはそう言って服を脱ぐ。ゆかも脱げって意味だろうけど、ゆかは裸になるのっちをただ黙って見つめてた。いつ見ても綺麗な体。そんなゆかに振り返って、「脱がないの」って笑って見せた。 ゆかはもぞもぞと、焦らすみたいにショーパンを脱いで、今度はまたゆっくり上を脱いで、それを見つめるのっちは目で「早く」って言ってるけど、それでもゆかはゆっくり時間をかけて脱いだ。 「焦らすね、のっちにやらせて」 「……はい」 どうぞ、と胸を差し出すと嬉しそうに手を伸ばした。ブラの隙間から手を入れて数回軽く揉んだ後に、のっちはホックを外した。外したブラをベッドの下に投げ捨てて、ゆかの上に覆い被さる。 やっぱり、 「好き…」 「…のっちも、好きだよ」 「…のっち」 「うん、」 何度も何度もキスをして、ゆかはのっちの腕の中で何度も果てた。 次の日は、あの苛つきが嘘みたいにのっちにベタベタで、休日なのを良い事に、ずっと部屋で手を繋いでいた。 二年と一日、きっとこれからも上手くいく、そう信じてゆかはのっちの前髪をまた切ってあげた。 「ちょっと切りすぎじゃない〜?」 と鏡とにらめっこするのっちに、「そんくらいがのっちの大きな目がちゃんと見えるけ、良いの」と言ってあげると、のっちは調子に乗ってニヤニヤしてた。 まぁ本当は、普通に切りすぎただけなんだけどね。 ◇01 終◇
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<side k> 今日の撮影ののっちは かなりかっこいい。 白いシャツにネクタイ。 表情も様になっていて、 さっきからドキドキしぱなっしだ。 目が合うたびに、ちょっとたれ目で にこって笑ってくれるのが さらに、ゆかのドキドキを早める。 うわぁ、、やばいな、これ。 どっかに閉じ込めて、 ゆかだけのものにしたくなる。 誰にも触れさせたくない。 撮影が終わり、控え室に戻る途中 欲望に逆らえなくなったあたしは そっとのっちの腕を掴んで 空いている部屋に誘い込む。 「えっ?なになに?どしたん?」 わけがわからず、あたふたするのっち。 「のっちぃ、今日の衣装、すごくかっこいいね」 腕は掴んだまま、上目遣いで答える。 「あ、うん。ありがとう。のっちもけっこう 気に入っとるんよね、この衣装」 耳まで真っ赤なのっち。 「こういうのっちはさぁ−」 そう言いながら、腕を首に回す 「誰にも見せたくないんだよね」 そっと口付けを。 「ゆかだけのものにしときたいの」 「えっ、え、っちょ、、、」 焦るのっちに、あたしは 深く深く口付けていく。 「−んぅっ、、はぁ・・」 まだ少し、抵抗を試みるのっちにかまわず するするとネクタイを外していく。 ネクタイ片手に、唇を離し、のっちを見つめる。 ハの字眉に潤んだ瞳。 反則だよ、そんな瞳。 ぎゅっと抱きしめて、耳元で囁く。 「イイコトしよっか」 耳たぶを甘噛みすると、ぴくっとなるのっち。 「いやぁ・・でも、ここは、、やばくない?」 この期に及んで、この子は 「なんで?鍵もかけてるし、大丈夫だよ?」 最高の笑顔で答える。 <side n> えぇー、そういう問題? ていうか、極上の小悪魔スマイル。 こういうときのゆかちゃんは、、、 止められない。 あぁ、もう、いいや。 甘い声に、すでに思考回路が 蕩けはじめてるあたしは、観念することにした。 と、急に視界が暗くなる。 はい? 目隠しされとる? 「・・ゆかちゃん、あの、これは一体・・」 「ネクタイ邪魔だから、結び直したんよ」 「…目に、ですか?」 「うん、目に」 表所は見えないものの、 嬉しそうに微笑む彼女の様子が手に取るようにわかる。 「こういうのもいいんじゃない?」 視覚を遮られたのもあって、さっきより リアルに響いてくる、ゆかちゃんの甘い声。 「っいや、これは・・」 抵抗するまもなく、体を壁に押し付けられ 唇を重ねられ生暖かい舌が 侵入してきて、のっちのそれを絡めとる。 右手は、いつの間にかボタンを外されてた シャツの隙間差し入れられて、胸に。 「はぅ・・!」 ゆかちゃんの唇が耳元に移動してきて 「のっち、いつもより感じてるんじゃない」 「ん、なこと、、ない−」 「でも、もうここ、こんななってるよ?」 そう言って、ゆかちゃんは 熱い吐息を織り交ぜて、舌を耳に這わせてくる。 「のっちぃ、もっと素直になりなよ」 「ヤっ——!」 やばい、これはやばい。 体の力が抜けてきて、立ってられんくなってきた。 「ふふ、のっち、ほんと耳よわいよね」 嬉しそうな、ゆかちゃんの甘い声。 耳がよわい、、、てのもあるだろうけど・・・ 声だよ!その声!! ただでさえ、のっちの頭ん中を麻痺させる その甘い囁きが、視界を遮られてることによって いつもにも増して、全身に響いてくる。 「はぅ、、はっ———っ!」 ゆかちゃんの手が下に伸びてきた。 「ほら、やっぱいつもより感じてんじゃん」 細く長い指先がのっちの中に入ってくる。 唇はいつの間にか、首筋に降りてきていて 強く吸われる。 −あっ、てか、さすがに跡が残るでしょ、それは・・ でも、のっちの中で動き回る指で与えられる快楽で もう完全に、思考回路はショートしてる。 「あっ・・んっ——」 だめだ、、もう・・・・ そう思った瞬間 すっと、ネクタイをずらされ いじわるな、そしてとても愛しい ゆかちゃんと目が合い 導かれるように、てっぺんまで昇っていった。 <side k> 「うわぁっ」 のっちの体は一気に力が抜けて ゆかの力だけじゃ支えられなくなって その場にへたり込んでしまった。 ゆかは、のっちに跨るような体勢に。 やっぱり、イクときののっちの表情は いつみてもぞくぞくする。 思わず、その瞳を見たくなって ネクタイをずらしてしまった。 我ながら、いじわるだ。 はぁ、はぁ・・ まだ、息が落ち着かないのっちの頭を 抱えるように抱きしめる。 愛しい、愛しい人。 誰にも、見せたくない。 ゆかだけの、秘密にしておきたいの。 「のっちのそんな表情、誰にも見せちゃダメだよ」 <side n> −誰にも見せるわけないじゃん。 ゆかちゃんに、抱きしめられながら ココロの中で呟く。 それにしても たまに、ゆかちゃんは強引に のっちを求めてくる。 ま、いいんだけどさ。 むしろ、ほんとに 自分だけものもじゃないかって 幸せを感じられたり・・ うん、求められるのって悪くない。 それより・・ 「ゆかちゃん、、、首んとこ、残ってるよね?」 「うん」 うん、て。どうするのさ? 「いつもみたいに、ストール巻いとけば問題ないでしょ?」 そんな、最高の笑顔で言われたら、なんも言えんよ! はぁ、惚れてる方の負けじゃね。 「さてと、戻ろうっか」 そう言いながら、ゆかちゃんは のっちのネクタイを締めなおしてくれた。 で、とどめはこれ。 「ね、最後はのっちからキスして」 と上目遣いのおねだり。 一体、どれだけのっちをもてあそんだら 気がすむんだろ、この子悪魔ちゃんは。 逆らえませんよ。 逆らうつもりもないけれど。 そっと、キスをする。 「じゃ、行こうっか」 二人だけの秘密の時間は 今日のところは、ここまで、だね。
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「はい、のっち」 「ん。」 赤い色した細くて頼りない線だった糸は、小さな結び目ひとつ作って、きれいな輪に変わった。 かしゆかの細く頼りない指先が、さっきから器用に動いては、その輪のカタチをコロコロと変えていた。 「…ん?んー、」 「できん?」 数分前、その指先に誘われて、渋々読んでいた漫画を手放したのっちも、今やその輪になった糸に夢中だ。 だけど、のっちはかしゆかほど器用にはできてなかった。それでもなんとか、その丸っこい指先でかしゆかの指遊びに付き合っている。 「んー、できるよ」 「うっそだぁー」 眉を垂らして困った顔をするのっちに、かしゆかは少しだけ意地悪な表情を作って笑いかけた。お、笑ったなー。のっちはそれに優しくふざけて返した。 「ね、のっち!賭けん?」 「…賭け?」 「う〜ん…、あ!勝負しよっ!」 「お、しよしよ!」 賭けをしよう、と言われたのっちは顔をしかめたが、勝負と言われたら燃えるタチだ。かしゆかはすぐに気付いて言い直した。案の定、いとも簡単にのっちは誘いにのった。 「一回勝負ね!」 「お、いいよ!」 「ゆかが今から作ったやつ、」 「うん」 「のっちが取れたらのっちの勝ち」 「うん!」 「取れなかったらゆかの勝ち」 「そりゃそうだわ」 「負けた方はひとつだけ言う事聞く!どう?」 「ふっふっふっ!いいよ!負けねー!のっちが勝ったらかしゆかアレね、アレ!あの〜、、 「…写真?」 「そう!ちょうだいね!絶対だよ!」 「勝ったら、ね」 「負けないって!あーまじで早く見たいなぁ、」 「…うん」 「あ〜ちゃんの写真!」 嬉しそうに何かを想像してにやけるのっちと、苦しそうに目を背けたかしゆか。二人の姿はまるで正反対だった。だけどそれに気付いてるのは、かしゆかだけだった。 いつだって大人でいたいし、余裕でいたかった。のっちの前では。だからかしゆかはその表情をのっちにはばれないように、見つめていた視線を外した。 「かしゆかは?」 「え?」 「勝ったら。かしゆかは?なにが欲しいんよ?」 「ゆかは、 ごくり、息を飲み込んだ。 大人でいたいはずだ。余裕がほしいはずだ。だけど、そうでないことに気付いてるのも、紛れもなく自分自身だった。 そんなかしゆかが、溜りに溜まった想いを、意を決してのっちに告げた。 「ゆかが勝ったら、今夜ののっちの予定、、ゆか、にして」 果たして大人で余裕な顔ができたのだろうか。 「なに言ってんのー」 目の前ののっちは大きな声を出して笑った。かしゆかから瞬時に目をそらした。その行動はどれも、正直者ののっちには、似合わなかった。 知ってるよ。のっちは馬鹿じゃない。知ってるよ。気付いてることくらい。 気付かれていることに気付いてもなお、かしゆかはその大きな黒目でのっちを見た。そらすもんか。まるでそう言っているみたいに。 「だって、のっち勝つんでしょ?」 「…う、うん、」 「ならいいじゃん…」 大人振る態度はまだ続く。そうでもしなきゃ、惨めでしょうがない。かしゆかは指先に絡ませた糸を、器用にのっちの指に絡ませた。丸っこい指と細い指が絡み合って、その中で糸がぐちゃぐちゃになった。 「……そうだね。」 のっちはそう返事をすると、繋ぐように絡んでいたふたりの指をほどいた。その時、一瞬だけかしゆかの小指に触れた。 「いいよ。はじめて」 のっちの声にひとつ頷いたかしゆかの指先が動きだす。ドキッとした。たまたまなのか、なんなのか。それでもそれをばれないように、かしゆかは冷静を装った。 知ってるよ。どうにもならないこと。知ってるよ。最初から無理なこと。 「………はい。」 かしゆかの差し出した指先には、始まりのカタチがあった。えっ?とのっちは目を丸くして驚いた。当たり前だ。こんなの簡単で単純すぎる。 のっちはゆっくりその糸に手を伸ばした。 「……えっ?」 のっちは小さな結び目をほどいた。あやとりの糸の輪をまた線に戻した。 戻した糸を指先に絡ませながら、かしゆかの指先へと近づいた。見つめ合うふたりに会話はなく、苦しいような、怒りにも似たような目をしたかしゆかと、それも全部受けとめるような、優しい目をしたのっちがいた。 「ごめん、のっちもう行くね。」 絡めた指、絡まる視線、絡まった感情。そのどれもをのっちはほどいた。ただひとつ、線になった赤い色した糸だけをかしゆかの小指に巻き付けて。 「……ば、か…」 かしゆかは小さく呟く。何度呟いても、この感情が消えることはなかった。 嫌いだよ。のっちなんて。大嫌い。 何度想っても嫌いになんてなれるわけがなかった。 運命の赤い糸なんて、あるわけがなかった。かしゆかの小指に一周巻き付いた赤い糸は、そのままたらりとぶらさがっていて、他のどこへも繋がってなどなかった。 嫌いだよ。のっちなんて。大嫌い。 あやとりなんてしなきゃよかった。綾取り、なんて、、。 かしゆかの小指から、赤い色した糸がほどけて、落ちた。 end
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◇K-side◇ 「そもそも、おかしくない?悪い事しとったのはのっちなのに、あのアホ犬、なんも反省しとらん」 そう言ってあ〜ちゃんはまた頬をぷくっと膨ませた。 のっちは今お風呂に入っている。朝にシャワー浴びて、夕方にもお風呂に入って…夏休みって素晴らしいね。 「あ〜ちゃんがすぐに許しちゃうから調子に乗ったんよ」 「えーあ〜ちゃんのせい?」 「ゆかのせいでもあるか」 とにかく、ゆかとあ〜ちゃんはのっちを甘やかし過ぎなんだ。一人っ子で甘やかされて育って、その上ゆか達まで甘やかしてどうするの。 「これからは厳しくいかんとね、ガツンと」 「ガツンとかぁ…出来るかなぁ?」 「ゆかちゃん弱気にならんでよ!あ〜ちゃんはガツンと行くけぇね!ガツンと!」 そう意気込むあ〜ちゃん。ゆかは無理だと思うけどなぁ。 「ガツンとミカンは美味しいよね〜」 などと言って、お風呂から上がったのっちがTシャツに短パンとゆーラフないつもの部屋着姿で冷凍庫の扉を開けた。 「ハッいつの間に」 聞こえたのではないかと身構えるあ〜ちゃん。完璧聞こえてたっぽいね。 「二人共、今日も泊まってく?」 取り出したアイスをペロペロ舐めながら、のっちはソファに座ってテレビをつけて。なんなんこの偉そうな態度!朝まで泣いてたくせに! 「どうする?ゆかちゃん」 「うーん…どうしよっかなぁ」 今朝お母さんに無断外泊で怒られたばかりだからなぁ。まぁ連絡すれば全然良いんだけどさ。 「ゆか、今日は泊まらん」 「えー泊まってかんの?」 「だったらあ〜ちゃんも帰る」 「そんなぁ〜!」 だって抜け駆けは禁止だもんね?あ〜ちゃん。のっちは情けない声を出す。でも… 「ねぇのっち、」 「?」 「今、あ〜ちゃんとゆか、どっちかとエッチ出来るとしたら、どっちとしたい?」 「ゆ、ゆかちゃん何言っとるんよ!」 ゆかの発言に慌てるあ〜ちゃん。のっちはうーんと考え込んだ。 「うーん…どっちも、かなぁ」 そうポツリと呟いて、のっちはニヤけた。何かを想像してニヤニヤしている変態発揮中ののっちを見て、あ〜ちゃんとゆかはため息を吐く。 「はぁ…なんでこんな人を好きになったんじゃろ…」 「ホンマじゃ、ゆかもそれ今思ってた」 「酷いよ二人共〜!」 でも、その言葉を聞けて安心した。少なくとものっちは今も、ゆか達とエッチな事をしたいと思ってくれてる訳だから。 「どうしようかな、ゆか達が帰っちゃ嫌?」 「うん嫌じゃ」 即答するのっち。やけに素直で可愛い。 「じゃ、泊まってあげても良いよ」 「ならあ〜ちゃんも泊まってく」 「ぃやったー!!」 のっち大喜び。ゆかはあ〜ちゃんと目を見合って、小さく微笑んだ。 ◇N-side◇ ガツンと、ガツンと…。 あ〜ちゃんのあの言葉が今、頭の中でリピートされている、なぜなら… 「ふーん、自分はするくせに、されるのは嫌なんだ?」 「たまにはされる方の気持ちを知るのも良いんでない?」 暗闇の中、狭いベッドに三つの影。のっちは服を脱がされて、恥ずかしい格好に。 「ま、待って…ちょっと待って!」 二人が泊まってくって…これを企んでいたんだ!エッチな事って…それって…は、ハメられた…! 嫌だ!こ、こんなの嫌…っ!助けて〜! 「……ハッ!」 ここはベッド。両隣には窮屈そうに横たわる二人の姿が。 「あはは…夢かぁ…」 あービックリした。死ぬかと思った。 「のっち…どうしたの?」 「ゆかちゃん…ごめん起こしちゃった…?」 「ううん、なんか眠れんかった」 起き上がるゆかちゃん。二人に抱かれる夢を見ました、なんて恥ずかしくて言えないよ。 「のっち…汗かいてる」 「あ、う、うん…なんか暑くて…」 「ゆかも少し汗かいちゃった」 ゆかちゃんの細い首に光る一筋の雫。月明りに反射して、とても綺麗だ。 「のっち、前髪がおでこに張り付いてるよ」 そう言って、細い指がのっちの顔に向かって伸びてきた。 のっちはそれを遮る様に掴んで、ゆかちゃんの目を見つめた。綺麗な瞳…最低なのっちを許してくれた、優しい瞳。 「…のっち?」 「ゆかちゃん…」 そっとキスをした。触れるだけの、柔らかなキス。 滑らかな髪を撫で、頬を撫で、汗ばんだ首を撫で…。 「ダメ」 今度はゆかちゃんが、のっちを遮った。 「抜け駆けは、禁止だから」 そう言って苦笑するゆかちゃん。分かってる、そんな事は分かってる。二人が決めた事なんだから。 あ〜ちゃんの方を見ると、おかしな姿勢で幸せそうにスヤスヤ眠っていた。あ〜ちゃんの寝相の悪さは折り紙付きだ。何度も蹴られて目を覚ました事がある。 「…」 「…」 「寝よっか」 のっちの言葉に、ゆかちゃんは小さく笑って頷いた。 二人の手を繋いで、のっちは再び夢の世界に旅立つ。 だけど、まさかあの夢が…ね…。 ◇2-10 End◇
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サヨナラを告げられた朝。 ビター・ビター(26) 小鳥のチュンチュンと朝をお知らせしてくれる声で、のっちは目覚めた。 「んうー、よく寝たあ…。」 むくりと上半身を起こして、腕を大きく天井へと伸ばして気だるい身体を伸ばした。秋の朝は肌寒い、床に脱ぎ散らかした自分の服をベッドから手を伸ばして取ると、トレーナーをすぽっとかぶった。 「ゆかちゃん、のっちのもちゃんと拾ってくれたらよかったのに…。」 ぶつぶつと不満を漏らしたのは、同じように脱ぎ散らかされていたはずの服がかしゆかのものだけ綺麗に片付けられていたからだ。 「ゆかちゃーん。」 のっちがリビングに向かって少し大きめの声で呼びかけても、返事はない。不思議に思ってパンツにトレーナーという何とも間抜けな格好でしぶしぶベッドから起き上がった。下半身がやけに重いのは、昨日の情事のせいだろう。昨日のかしゆかは、いつもより執拗にのっちに「忘れんでね」と言った。嘆くように発された声をのっちは、快感に消えそうになる理性の欠片を繋ぎとめて必死に頷いた。 「ゆかちゃん?」 リビングに、かしゆかの姿はない。お風呂場かもしれない、とお風呂場を覗いてもトイレを覗いても応答はない。この家にのっち以外のヒトがいる気配さえしない。玄関に行くと、そこにあるのはのっちのヒールが一足、履きやすいように揃えて置いてあるだけだった。 「…牛乳、買いに行ったんよね、そうよね。」 自分に言い聞かせるようにのっちは言った。何故か胸騒ぎがする、心臓がドクドク、妙な音を立てる。早まる心臓音を抑えるかのように胸に手を当てていると、リビングにあるテーブルにメモが置かれているのに気がついた。逸る鼓動を抑えきれずのっちは紙がくしゃくしゃになるくらい強くそれを手に取った。 ———のっちへ。 いきなりごめんなさい。 ゆかと、別れてください。 ゆかのことを好きになってくれてありがとう。ゆかと付き合ってくれてありがとう。のっちに、ゆかはたくさん幸せをもらいました。本当にありがとう。 ゆかね、のっちにも幸せになってほしいんよ。のっちには、ゆか以上に相応しいひとがおるはずじゃけえ。自分の気持ちに素直になってほしいと思うんよ。ゆかは、これ以上ない幸せをのっちにもらったけえ、のっちはゆか以上に幸せにならんといかんのよ。 のっち、だいすきだよ。 ありがとう。 ゆか。 メモを持っていた手が震えた。 「な、ん…でっ…?」 力が抜けた。床にぺしゃんと座り込んだら涙が止まらなかった。叫んでも叫んでももう、誰も迎えにきてはくれない、傍にいてはくれない。 かしゆかが残した手紙は、のっちがまるでかしゆか以外のひとをずっと思っていたような内容だった。ちゃんと愛していたのは、ゆかちゃんだけなのに、のっちは自分の気持ちを否定されたようで余計悲しくなった。けれど、かしゆかは全部、全部知っていた。のっちの気持ちを、全部。 (のっち、ゆかちゃんに振られたんだ、) のっちは、独りぼっちになったんだ。
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勇気を出して飛び越えてみたら、爽快感を味わえた。重い荷物を全部放り投げたみたいな、爽快な解放感。 のっちがへし折ったギターはゆかが次の日拾って持って帰った。これって直せるのかな?これだけ見事に折れたらさすがに無理か。 修理が出来たら返さないで弾いてみたいだなんて思った時には、さすがに自分ののっちへの頑固な憧れに絶望した。それは彼女の恋人になれたら満たされる欲望ではないと気付いているはずなのに。 ゆかは変わりたいんだ。 自分を変えるのに一番便利そうなのがのっちなんだと思い込んでるだけなんだ。だから欲しがるんだ。子供みたいな無い物ねだり。こんなんじゃいつまで経っても大人になれる訳ない。 「じゃあ、付き合っちゃうか」 のっちは軽快なテンポでこう言った。半分冗談で、半分本気だったんでしょ。その時のっちの心には確かに当時の彼女が輝いていたはずだ。 のっちに握られた手をゆかは振り払って、嫌だと首を横に振った。涙が零れる目に朝日は痛いくらいにしみる。 「いや」 「なんで嫌なん?好きなんでしょ、のっちの事が」 乱暴に手首を掴まれて、窓に押しつけられる。それは強い力で、拒みたいのに喜びが溢れる正直なゆかの女な部分。女って嫌だな、って最近ようやく気が付いた。 「いや、いやっ」 「好きって言ったじゃん」 押し当てられた唇はカサカサしていた。ゆかのもカサカサで、気持ち良くもなんともない。これがのっちの心なんだと思うと、ゆかは泣きたくなった。あ、もう泣いてんだった。 のっちの唾液を飲み込むと、その手はゆかのスカートの中をまさぐる。ゆかは濡れていた。弱りきったのっちに興奮していた。守ってあげたいだとか、慰めてあげたいだなんてがらにもない事を考えた。ゆかを慰めてくれる道具としてしかのっちを見てなかったのに。 こんなのは嫌だ。 これ以上弱い女になりたくないよ。元はと言うと、のっちに似合う女になりたいと思ってただけなんだから。こうなりたかった訳じゃない。だけどそれは弱いのっちを避ける為の理由でしかなくて。つまりそんなゆかは、強くなれる訳なんかなくて。 歯を食い縛って、ゆかは弱いのっちを全身で感じた。傷付けられたなんて思っちゃいない、我慢する事でのっちの弱い部分を受け入れるんだ。憧れだとかそんなちっぽけな衝動を捨てて、人間らしい彼女を見つめ直す為に。 のっちは人間の女の子なんだって、そんな今更な事を思い出してゆかはまだ泣いていた。 それから二週間後、バイトから帰った家の前にはのっちがいた。新しいギターケースを抱えて、少し痩せたその頬にはちょっぴり動揺。のっちの弱い部分を感じたゆかは、あれから音沙汰なくても、また近いうちに出会える気がしていたから。 彼女とヨリを戻そうが別れようが関係なく、ゆかは今自分のやるべき事が何なのか、やっと考え出す為の準備が整ったんだから。憧れなんて感情は捨てた。弱いのっちの為に何が出来るか、それを考えたら今は夜も眠れない。 「由里子と別れたよ」 「そっか」 「あの男と付き合うんだってさ」 「ふーん」 「反応うっす」 「だって由里ちゃんの事、全然知らないもん、どんな子かも分かんないし、てか興味ない」 「あら酷い」 「上がってく?まだだったらご飯食べてきなよ」 「お、やった、気が利くねぇ」 あんな事をした後で、ゆかはのっちに対してあの頃みたいなときめきなんかは無くて。幻滅、なのかもしれない。要は完璧に見えたのっちも所詮は普通の人間だったって事で。 何を思ってたんだろ、のっちに何を求めてたんだろ。この心境の変化こそが、ゆかの求めていた「変わる」って事なのかもしれない。のっちはあの日、ゆかにしたベランダでの酷い事は一切口にしない。負い目を感じてくれてるのだと心地悪さで実感出来ただけで良しとする。 「のっちのギターじゃん、これ拾ってきたの?」 「あー…うん、」 「捨てりゃ良いのに」 「今度捨てるよ」 「あ、そういや昨日新しいギター買ったんだよ…じゃじゃーん」 「へーかっこいいじゃん」 「一目惚れしちゃった、音も前のより良いし」 聞きたい事はたくさんあった。だけど聞いた所で好奇心しか満たされない事は分かっていたし。 それ以上に、のっちの事はかなり知ったつもりだから、今度はゆかの事を知って欲しい、だなんて口が裂けても言えないんだけど。 「またパスタで良い?」 「うん、なんでも良い」 ゆかはのっちの自由を羨ましく思ってた。だけどそれは違くて、のっちは自由の中でもがき苦しんでいる様に今は見える。先の見えない自由が、恐怖でしかないんでしょ。 めちゃくちゃ簡単に言えば、寂しがり屋で甘えん坊なんだよね。どうして良いか分かんなくて目的も見つからない所なんか、ゆか達そっくりだよ。でも考えようとしてるだけ、ゆかのがしっかりしてるかな。 「ねぇ」 のっちに背後から抱き締められてるのだと気が付くまでには少し時間がかかった。ほら、やっぱり甘えん坊じゃん。のっちの鼓動が伝わって、ゆかは呼吸の仕方を忘れた。 「のっちって、もしかして誰からも必要とされてないのかな?」 その明るいトーンとは対照的に、のっちの手にこめる力は強かった。彼女のこんなにも惨めな弱音を聞いて、あの日ベランダで感じた体温を思い出す。 ゆかは振り返って、その体を抱き締めた。強く強く抱き締めて。 「ゆかは必要としてる」 「こんなに弱いのっちでも?」 「のっちは弱いままで良い、ゆかが守ってあげるから」 のっちは声を出さずに泣いた。 守ってあげるだなんて言って、ゆかはこの美人の弱みに付け込んで一生飼い殺してやるんだ、なんて。 こうでもしなきゃ見出だせない自分の存在価値。結論から言うと、ゆかとのっちは、今の社会に向いていないって事。 「なんか元気出たわ、ありがとね」 ご飯を食べてすぐに、のっちはそう言って帰る支度を始めた。ゆかは見送る為に立ち上がる。 座ってスニーカーの紐を結ぶ後ろ姿に、ゆかは笑顔で言った。 「ゆか達、付き合ったら意外とうまく行くかもね」 「そだね、のっちもそう思うよ」 「楽しいだろうな」 「かしゆか可愛いからな、身が保たんくなりそ」 「どーゆー意味よ」 「のっちの愛情表現、うっぜーよ?」 「へーどんな?」 「かしゆか可愛いーかしゆか大好きーって言いまくると思う、それこそかしゆかが前に付き合ってたキモいメールしてくる男みたいな」 「想像できんわ」 「まぁ、のっちはメールより電話派」 「てかさぁ、ゆかのっちの番号もアドも知らないんだけど教えてよ」 「あ、今携帯ねぇや、また今度で良い?」 「うん分かった」 それだけ話すとようやくのっちは靴ひもを結び終えてゆっくり立ち上がった。凄く近い距離で目が合って、お互いなんだか恥ずかしくなって笑った。 分かってたはずだ。こんな不器用な二人が付き合った所で何かが変わる事なんて有り得ない事くらい。だけどそれは、神頼みする人間の意味不明な行動と同じ。目に見えない、存在するかも分からない希望の光を信じていたいだけ。ゆかとのっちを結ぶ見えない糸を、信じたいだけなんだ。 ゆかはもう、この子の為なら今の自分を犠牲にする事くらい容易く思えた。この子の為だとか言って、全ては自分の為な訳だけど。 「のっち思ったんだけどさ」 「うん」 「かしゆかって、ただモンじゃねぇな」 「は?」 「じゃあ、おやすみ」 「はぁ〜?」 バタバタと外に飛び出していくのっちの耳はなぜか赤かった。可愛い、意味分かんない、なんなの今の小学生の男子みたいなの。今すぐ走って追い掛けて取っ捕まえてやりたかったけど、ゆかは一歩も動けず。 ベランダから走り去るのっちの車を見下ろして、高鳴る鼓動に動揺を隠しきれない。 ゆかは確信した。 のっちとゆかは、恋人同士になるのだと。 のっちとならこの異国みたいな地でも幸せを感じられる気がする。右も左も分からないけど、二人でならうまく行きそう。全部ただの憶測にすぎないのだけれど、ゆかはそれを感じ取ったんだ。 出会うべくして出会った。 運命だなんてロマンチックな響きは苦手だけど、もし一言でいうならそれが一番単純明快。のっちはゆかの運命の人だ。絶対そう。 「…ただモンじゃねぇな」 ◇0G 終◇
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みゆ「ブルッ」 ゆか「どうしたの?」 みゆ「いえ、なにやら寒けがしまして…」 ゆか「そうー。風邪には気をつけるのよ。サザエさんでも見ていなさい」 みゆ「いえ、やることがあるので…」 ゆか「やること?」 みゆ「アロンダイト買って来ますね」 ゆか「そう~。アロンダイトって何かしら?美味しいの~?」 みゆ「美味しくはないですよ。」 前 戻る 次